カヌー・スプリントのカナディアンシングル1000メートルで東京五輪代表に内定した當銘孝仁(糸満中―沖縄水産高―大正大出、新潟・三条市スポーツ協会)が3日、出身地である糸満市に當銘真栄市長を訪ね、代表内定を報告した。當銘選手は「今が一番成熟している時期。メダルを持ち帰れたら最高ですね」と笑顔で決意表明した。
市長との面談後には、市役所1階で激励会が開かれた。
當銘市長は「厳しい条件を突破して内定を勝ち取ったことは大変誇りに思う。今年は市制50周年でもあるので、メダルを取って花を添えてもらいたい」と期待した。
母校の沖縄水産高からも在校生が駆け付け、エールを送った。同校カヌー部1年の阿慶田海星さんは「當銘選手はかっこいいし、大きな存在。自分もカナディアンなので、オリンピックに出られるように頑張りたい」と目を輝かせた。
當銘孝仁の一問一答は次の通り。
Q:地元で歓迎を受けた。
「故郷は特別。知り合いも顔を出してくれて久しぶりに家族とも過ごせた。エネルギーチャージになる。やっぱり地元はいい」
Q:内定の実感は。
「周りの声援が大きく、自覚が出てきた。(所属先の)新潟に帰った時もすごい声を掛けてもらった」
Q:選考会を振り返って。
「アジア予選であれだけのレースをして、あれ以上はできないと思っていた。落ち込み、シングルも頑張ってと言われるのが嫌だった。でも最後まで期待してくれてるということを感じ、下馬評を覆したいと思えた。シングルでやってきた選手を少ない準備時間で倒せたことはよかった」
Q:一番の勝因は。
「ぶれなかったこと。練習も大きな変化はなかった。ペアで練習してきたので、シングルに対応するためだけの変化を付けて臨んだ。ペアでは自分が後ろで、(大城)海輝のペースだった。そこを改めて自分のリズムをつくった」
Q:シングル専念はいつぶりか。
「2017年くらい。その後も日本選手権とかで出たけど、ペアが中心。シングルは練習という感じ。(五輪まで)時間も少なく大きな変化を加えることはできないので、その中で発見しながら取り組みたい」
Q:本番への意気込みを。
「技術面をもう少し詰めたい。疲れない体の使い方でこぐ効率を上げ、継続して高い出力を出し続けられればタイムにもつながる」
Q:選考会は4分1秒だった。
「本当にいいコンディションで、決勝進出や表彰台を目指すなら3分40秒台は必要。シングルではドイツやブラジルが強い。選考会は前半を大事にしたことが功を奏した。後半は持ち味でもあるので、やってきたことをやりたい」