沖縄きょう「慰霊の日」 沖縄戦から76年、祈る平和 


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降りしきる雨の中、平和の礎に戦没者の追悼に訪れた人たち=22日午後、糸満市摩文仁の平和祈念公園(ジャン松元撮影)

 沖縄は23日、「慰霊の日」を迎えた。住民を巻き込んだ悲惨な地上戦で、かけがえのない多くの命や文化遺産が奪われた沖縄戦から76年。激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園では、午前11時50分から県と県議会主催の沖縄全戦没者追悼式が開かれる。新型コロナウイルスの影響で参列者は30人に絞る。大幅に規模は縮小されたが、沖縄から20万人以上の戦没者に思いをはせ、恒久平和を願う。   

 追悼式では玉城デニー知事が平和宣言をするほか、宮古島市立西辺中学校2年の上原美春さん(13)が「平和の詩」を朗読する。菅義偉首相と衆参両院議長からはビデオメッセージが送られる。平和祈念公園内の「平和の礎」はことし新たに41人が追加され、総数は24万1632人となった。

 22日は雨が降りしきる中、手を合わせる人が県内各地から訪れた。密を避けて夫婦で訪れた那覇市の女性(64)は「平和のありがたみを感じる。23日は自宅から祖父母を思いたい」と礎に手を合わせた。