「なぜ駄目」説明なく 別室登校に上限、制服規定、髪型… 県立高校則


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地毛登録申請書やキャンプ禁止、別室登校制限など、問題のある記述がみられた校則

 不登校生徒支援のための「別室登校」に期間の上限を設けた校則や、男女別の制服規定、「奇抜な髪型禁止」といった校則について、多くの学校は「校則に縛られない、柔軟な指導をしている」と説明する。指導を受ける生徒は「先生によって指導が変わる」「なぜ駄目なのか分からない」など、納得できないまま指導を受けている生徒もいる。弁護士や識者は「多様性や個性の否定で、人権を制限するには正当な理由が必要」と指摘した。

「人権を制限」識者指摘 学校は「柔軟な指導」主張

 キャンプを禁止しているコザは「飲酒防止などのため」として、青少年保護を根拠に上げた。保護者や引率者がいる場合は「責任の所在が明確である」として認めている。

 教室になじめない生徒が利用する「別室登校」の期間を「原則として2カ月」と定めている普天間は「継続的な指導をする中での区切りとして設定している。実際は生徒や保護者の考えなどを考慮して延長している」とした。真和志は、別室登校の期間を「原則3カ月以内」とする他に「年度をまたいでの延長はしない」「人間関係を構築するのに重要な年度初めの2カ月は別室を認めない」と規定している。同校は普天間と同様に「子どもの状況により延長を認めている」として、校則によらない指導をしていると説明した。年度初めの別室登校制限については「なるべく新しい仲間や担任と関わってほしいとの思いがある」と話した。

 男女別の制服規定がある那覇西は「実際には生徒の意思を尊重して選択できるようになっている」と説明した。

 子どもの権利に詳しい横江崇弁護士は「一部の校則は人権の理念に反する。人権を制約するためには正当な理由、目的が必要で、その理由を子どもたちに説明できなければならない」と話した。校則の改訂については「生徒が自主的に決めるプロセスが大切だ。意見を言って社会をつくっていく経験はその後の財産になる」と提案した。