基地問題の実態学ぶ オンライン会議で県内外の学生ら議論


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ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を用いて開催した学習のつどい「沖縄の基地問題を考える」の参加者ら=6月26日(主催者提供)

 沖縄の歴史と文化を見つめる会(東京)と東京平和・国際教育研究会(同)が主催する学習のつどい「沖縄の基地問題を考える」が6月26日、オンラインで開催された。中・高・大学生の発言を含め7人が登壇し、沖縄戦の歴史を学び、基地問題について考えた。北海道から沖縄まで全国から約80人が参加した。

 名護市辺野古の新基地建設に関する現状を報告した新基地建設反対名護共同センターの早坂義郎さんは、「(南部の)山の土で(辺野古の)海を壊しているのが実態だ」などと力説した。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表は「南部の土砂を基地建設の埋め立てに使わせない」と題し、遺骨収集の様子や手榴弾などの戦争遺物について写真を交え解説した。

 県内の高校生は新基地建設に反対の声を挙げ「沖縄県民の人権はどうなっているのか」と訴えた。県出身で東京の大学に通う大学生は、沖縄戦や基地問題について東京での情報量が少ないことを指摘。「沖縄戦を風化させてはいけない。沖縄を離れているからこそ大学生の立場でできることを考えていきたい」と述べた。

 また、読谷中学校の教諭や都内の中学校社会科講師は、学校での平和学習を通し、変化する生徒の様子を紹介した。

 沖縄の歴史と文化を見つめる会の浅羽晴二代表は、「(基地建設を)阻止することが私たちの責務だ。平和への努力が若い世代に継承されている」と総評した。 (中川廣江通信員)