スケボーエリアに巨大壁画! 2人の芸大生が地域の子どもたちと制作 コザ運動公園


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 【沖縄】沖縄市のコザ運動公園のスケートボードエリアに、コロナ禍でも来園者らの気持ちが明るくなれるよう願いを込めた壁画が6月20日に完成した。県立芸大大学院1年の大城可奈子さん(23)と同大2年の金城妃美佳さん(19)が、スケートボードの走る軌跡を表現したラインを描き、地域の子どもたちが色とりどりの花々を書き添えた。壁画を目にした人たちから好評を得ているという。

スケートボードエリアで壁画を作成した(左から)金城妃美佳さんと大城可奈子さん=沖縄市のコザ運動公園

 壁画制作は、アートプロジェクト活動などに取り組む団体「AIO(アートイニシアチブオキナワ)」が企画した。共同代表で沖縄市出身の内間直子さん(46)が、琉球新報の連載コラムで執筆した「落ち穂」(昨年7~12月)で、AIOなどの活動を紹介したことがきっかけとなった。

 指定管理者のおきなわスポーツイノベーション協会の當山勝正さん(65)が記事を読み、内間さんへ壁画制作を打診。「公園に文化的なものを導入し、憩いの場にしたい」との當山さんの思いを受け、制作へと動き出した。

 AIOメンバーの平岡昌也さん(40)が市内にある沖縄こども美術教室で講師を務める大城さんと金城さんに制作を依頼した。2人は学業を終えた夜、梅雨空を気にしつつ頭にヘッドライトを付けて取り組んだという。配色には市を代表するエイサーの色合いを加えた。沖縄市民の木であるビロウも盛り込んだ。

 壁画は高さ約180センチ、幅約22メートル。これまでに描いた経験のない大きさに戸惑いながらも完成にこぎ着けた。大城さんは「一般の方の生活の中に美術を取り入れられればいい」と手応えを感じた様子。制作の様子を見た来園者と交流したという金城さんは「人に見られて描くいい経験をした。新鮮で楽しかった」と笑顔を見せた。

 来園者からは「明るくなった」「とてもすてき」などの声が公園に寄せられているという。内間さんは「アートとスポーツが交われば面白い」と述べ、當山さんは「いい感触でやってよかった」と振り返った。