ソーシャルゲームの「マイネット」 沖縄の若手起業家を支援 投資拡大


社会
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県内の若手起業家を積極的に支援するマイネットの上原仁社長(提供)

 ゲームサービスを提供する東証1部上場のマイネット(東京)が、沖縄のスポーツ産業の発展に向け、県内プロスポーツチームとの事業提携や、チームのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を強化している。同社の上原仁社長は、2020年9月に自ら県内に移住した。「沖縄のスポーツ熱は他県に比べて高い。アジアの中心に位置し、アリーナやスタジアムの建設が相まって、今後の成長が大いに見込まれる」と、沖縄におけるスポーツビジネスの成長可能性を指摘する。

 マイネットは現在、サッカーJ2のFC琉球とトップパートナー契約を締結している。沖縄はアジアと距離が近く、今後、アジアのスポーツ拠点になる可能性が高いと見て、他の県内スポーツチームとの提携なども視野に入れている。

 上原社長は「デジタルの力でスポーツチームの経営を改善したい。ファンクラブで形成したコミュニティーから集めたデータをグッズ開発に活用し、オンラインでの物販を展開したい」と、スポーツ分野に進出する狙いを語る。

 上原社長は2014年ごろ、情報通信研究機構(NICT)が開催する「起業家甲子園」の委員として来県し、県内起業家の発掘を担当していた。これを機に、沖縄の拠点となるマイネット琉球を18年に設置し、スポーツ産業のマーケティング事業を本格化した。

 同社はスポーツ領域のほか、県内ベンチャー企業への支援も積極的に行っている。既に3社に投資しており、上原社長は「22年6月までに10社まで拡大したい」と強調した。

 「沖縄は国内有数のスタートアップの発信地になる可能性を秘めている」と見込み、自身で若手を対象に起業に関する指導や相談も行っている。県内起業家を中心とするコミュニティー「コーラルバレー」も結成し、勉強会などを定期的に実施している。

 上原社長は「コロナ収束後、県外から沖縄への移住やワーケーションの需要は高まる。沖縄は国内有力スタートアップとの交流人口が増加し、創業件数の増加も進む」と展望した。

 (呉俐君)