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「女らしく」「男は泣くな」…性の多様性って? 南風原中が全校授業


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多様な性を認め合い、みんなが安心して過ごせる学校の在り方について意見を出し合った南風原中学校の生徒たち=13日、南風原町の同校

 南風原町立南風原中学校(當間保校長)は13日、沖縄キリスト教学院大学の玉城直美准教授を招き、授業「私たちとジェンダー 多様性を認める学校生活」を開いた。1~3年の全クラスをオンラインでつなぎ、学級や学年を超えて意見を出し合いながら進めた。多様な性とは何か、互いの違いを認め合い誰もが安心して学校生活を送るための校則や設備、仕組みについて学校全体で考えを深めた。

 「日常生活の中で思わず言ってしまう、性に基づいた発言を挙げてみよう」。講師の玉城さんが呼び掛けると、各学級で次々に声が上がった。「男は泣くな」「女らしくしろ」「重い荷物は男が持て」「女なのに整理整頓ができていない」。生徒らは列挙しながら、無自覚に多様な性を否定する発言をしていることに気付いた。

 授業の終盤は全学年で、全員が安心して学校生活を送るために必要なことを考え、意見を出し合った。「誰でも入れるトイレや更衣室を増やそう」「制服をなくして、私服にした方がいいのでは」「保健体育の授業は男女に分けない方がいい」など、たくさんのアイデアが出た。

 2年の知念栄樹さん(13)は「自分の中にも、差別や古い考えが残っていると改めて気付くことができた。偏見を持たず、相手の人間性をちゃんと見るようにしたい」と話した。2年の長嶺咲妃乃さん(13)は「自分の考えや言葉が相手を傷つけていないか、不安に思うことがある。相手の気持ちを尊重できるようにしたい」と語った。