「安心して眠れる日々を」普天間爆音の第3次訴訟で初弁論 国側は請求棄却求める


社会
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事前集会で結束を固める「第3次普天間爆音訴訟」の原告団ら=29日午前8時45分、沖縄市知花(大城直也撮影)

  米軍普天間飛行場周辺の宜野湾市と浦添市、北中城村の住民5346人が、米軍機の実質的な飛行差し止めや損害賠償を国に求める「第3次普天間爆音訴訟」の第1回口頭弁論が29日、那覇地裁沖縄支部(足立堅太裁判長)で開かれた。国側は争う姿勢を示した。原告2人が意見陳述し、被害の実態を訴えた。

 国側は答弁書で、飛行差し止めと過去の損害賠償について請求棄却を、将来の損害賠償については不適法だとして却下を求めた。

 訴訟団と弁護団は29日午前8時40分から、沖縄市の那覇地裁沖縄支部近くで事前集会を開いた。米軍機が爆音を響かせる中、新垣清涼訴訟団長は「なぜウチナーンチュだけがこのような状況にあるのか。皆が安心して眠れる日々を取り戻したい。飛行差し止めを実現したい」と語った。

 新垣勉弁護団長は「被害の実態を訴訟を通じ、多くの国民に伝えたい。第1次提訴から20年近くになり、長い闘いだが、被害がある限り闘い続ける」と述べた。

 原告は、国が定めた騒音コンター(分布図)で、うるささ指数(W値)75以上の区域内の住民。午後10時~翌午前6時までの夜間・早朝の一切の航空機騒音の禁止と、午前6時~午後10時まで65デシベルを超える騒音の差し止めを求めている。損害賠償は1人月額3万3千円とし、将来生じる被害として結審後や判決確定後の賠償も求める。

 普天間爆音訴訟では、1次、2次どちらも過去に生じた騒音被害の賠償責任を認めている。一方、飛行差し止めについては、米軍機の運用は国が制限できる立場にないという「第三者行為論」で退けている。