笑顔戻る世の中願い 八重山高、心一つに舞う 全国高文祭あす開幕


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ

 「届けよう和の心 若葉が奏でるハーモニー」をテーマに、31日から8月6日までの7日間、和歌山県を舞台に「第45回全国高校総合文化祭」(文化庁、全国高等学校文化連盟など主催)が開催される。「高校生最大の文化の祭典」といわれる同大会は、昨年、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、オンラインでの開催となった。今年は2年ぶりに一堂に会しての開催となる。

八重山高郷土芸能部の部員たち=16日、石垣市の同校

 八重山高校郷土芸能部は42人の部員が全国の舞台に立つ。今回の演目では、八重山の人々が農作業の合間に歌ったとされる「ゆんた」を織り交ぜた。人々がつらい作業の中で幸せを見つけた姿に、コロナ禍で落ち込む現在の社会を重ね、世の中に笑顔が戻ることを願って舞う。

 新型コロナウイルス感染防止のため、八重山高校でも部活動は制限された。通常時なら土日に3~4時間あった部の練習時間は、2時間とされ放課後の練習も90分だけ認められた。全体がそろって練習できない日も続いた。

練習に励む八重山高郷土芸能部の部員たち=16日、石垣市の同校

 部員らはそれぞれ自らの動きを撮影し、動画で共有するなどして練習に励んだが、「細かな動きなどは合わせるのが大変だった」(野田詩月副部長)。それでも部員らは、短い練習時間で心を一つにまとめ本番に臨むつもりだ。演目にはモーヤー(カチャーシー)も取り込み、楽しさも表現する。

 3年の知念粋加(きよか)部長(17)は「練習時間が短く不安もあるが、しっかり技を磨き支えてくれた人たちに結果で恩返ししたい。ぜひモーヤーで楽しんでほしい」と意気込んでいる。