「町民にコロナ給付金支給」与那国町長に初当選 糸数健一氏に聞く


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与那国町長選で初当選した糸数健一氏=9日、与那国町

 【与那国】与那国町長選の投開票から一夜明けた9日、初当選した糸数健一氏(67)が報道各社の取材に応じた。糸数氏は選挙結果について「島の将来に対する危機感の表れだ」と指摘。その上で、今後は町民一体となって町づくりを進めていく考えを示した。

 Q:一夜明けての感想は。

 「ほっとしている。緊張とともに頑張らなければという重責を感じている」

 Q:勝因は。

 「支援者が自分事として必死に戦っている姿を見て、自分自身もそれ以上に頑張らなければならないと思った。対立候補の一人には4期務めた現職の後継もいた。町民にはこの島の将来に対する危機感があったのだと思う」

 Q:取り組みたい政策は。

 「現町政は副町長を置かなかったが、私は適任者から副町長を選びたい。またコロナ禍で困窮する町民のために、財政の状況を確認し、町議会とも調整しながら町民1人当たり5万円のコロナ給付金を年内に支給できるようにしたい」

 Q:岸信夫防衛相は陸上自衛隊与那国駐屯地に「電子戦」の専門部隊配備検討を表明しているが、考えは。

 「国家安全保障は一番大切だ。だがこれに関して国から直接、話を聞いていないのでコメントできない。話があるならば町民へ説明していきたい」

 Q:選挙戦では保革共闘した。今後、保革をどうまとめていくか。

 「全く心配していない。私に排除の論理はない。選挙で戦った相手とも一緒になり島をつくりたい」

 (聞き手 西銘研志郎)

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 糸数 健一(いとかず・けんいち)1953年8月18日生まれ。町祖納出身。東京理科大中退。2006年に町議に初当選。17年の町長選に出馬した。