仲里、6回TKO負け 日本ライト級タイトル戦 流血でレフェリーストップ「悔しい」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
チャンピオンの吉野を攻める仲里周磨(左)=12日、東京・後楽園ホール(問山栄恵撮影)

 プロボクシングの日本ライト級タイトルマッチ(10回戦)が12日夜、東京・後楽園ホールであり、同級10位の仲里周磨(ナカザト、中部商高出)が王者の吉野修一郎(三迫)に挑み、6回2分20秒TKOで敗れ、王座獲得はならなかった。4回に吉野による強打で左目上をカットされ、6回に試合続行が不可能とされ、レフェリーストップとなった。仲里の戦績は15戦10勝(7KO)2敗3分。吉野は7度目の防衛に成功し、戦績を14戦14勝(11KO)とした。王座初挑戦の仲里は、序盤に得意の右ストレートで攻め込んだが、中盤以降は距離を詰める吉野に力強い左右のフックを打ち込まれ、徐々に主導権を握られた。

 主戦場とするスーパーフェザー級から階級を上げての初戦で王座を目指した仲里周磨(ナカザト)だったが、アジア圏の3冠王者の壁は厚かった。

 序盤は得意のストレートで攻め込んだ。吉野は仲里の速さにペースがつかめず、左フックが空振りするシーンも目立った。5回の公開採点では3人のジャッジとも王者・吉野が優位としたが、48―47とわずか1ポイント差だった。

 だが、中盤以降は、距離を詰めて打ち込む吉野に次第にペースを握られる。4回に左目上をカット。6回途中、流血で続行不能と判断されてTKO負けとなった。「悔しい。要所要所でカウンター、フック、ボディーも当たっていた。自分の実力はある程度出せた」。念願のタイトルマッチで手応えのある試合運びをしただけに、悔しさの残るレフェリーストップとなった。

 「やはり(相手には)安定感があったし、フィジカルが強かった」と反省も口を突いたが、日本王座とともに東洋太平洋、WBOアジアパシフィックの3冠を保持する日本最強王者に対し「そこまで差がなかった。ある程度、自分の力も確信が持てたし、自信が持てた」と振り返る。「精神面を強くしていく。1回から頑張る」とリベンジへ課題を見据えていた。
 (問山栄恵)