県内総生産9.6%減 20年度 県民所得マイナス10%


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 県企画部は26日までに、2020年度県経済の実績見込み値を発表した。県内総生産の実質成長率は19年度比マイナス9・6%程度になるとした。1人当たりの県民所得もマイナス10%の213万8千円程度を見込む。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う観光需要と消費需要の悪化により、いずれも日本復帰以降で最大の下落幅となる。

下落幅、復帰後最大

 実質成長率の過去の落ち込みには、沖縄国際海洋博覧会閉幕の反動を受けた1976年度のマイナス2・6%、リーマン・ショックの影響を受けた2008年度のマイナス1・5%がある。

 20年度県内総生産は4兆1104億円程度となる見込み。完全失業率は同0・8ポイント悪化の3・6%となった。雇用調整助成金などによる支援制度で抑制されていた新型コロナ関連の失業者が増え始めている。

 第1次産業は新型コロナの影響で冠婚葬祭やイベントなどが減り、生産額は582億円と19年度比マイナス0・4%を見込む。

 第2次産業の生産額は6849億円で、民間住宅投資の減少などで成長率はマイナス4・8%とした。

 第3次産業の生産額は3兆3891億円で、成長率はマイナス10%の大幅な落ち込みが見込まれる。

 県は21年度の県経済の見通しについて「新型コロナが県経済に与える影響の大きさを正確に推測し、影響を定量的に示すことは限界」として、20年度に引き続き予測を公表しなかった。