県、歳入出とも最高 20年度普通会計 コロナで国庫支出金増


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 県財政課は8日、2020年度県普通会計決算の概要を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国庫支出金の大幅増を受け、歳入総額は19年度比23・1%(1652億3700万円)増の8794億6900万円、歳出総額は同23・3%(1636億8700万円)増の8677億6600万円だった。歳出入いずれも過去最高額だった。県債残高は同1・0%(58億5200万円)減の5978億4600万円となった。財政の弾力性を示す経常収支比率は同0・7ポイント改善の96・4%だった。

 歳入から歳出を引いた額から翌年度に繰り越す財源(72億6400万円)を引いた実質収支は54億390万円で、19年度に比べて23億7800万円増えた。

 歳入は自主財源が19年度から430億8400万円増えた。一方、それ以上に依存財源が増えたことで自主財源の割合は1・6ポイント減の33・1%となった。

 自主財源の中心である地方税のうち、県税は1329億4100万円で19年度に比べ32億8千万円減った。地方消費税清算金は同86億4400万円増の327億2100万円。地方税総額は同53億6400万円増の1656億6200万円だった。

 18%以上になると、地方債発行のハードルが上がる実質公債費比率は19年度比0・6ポイント改善した7・3%、地方公共団体の財政規模に応じて負債の大きさを示す将来負担比率も同1・1ポイント改善の41・5%だった。

 財政課は、20年度普通会計に基づく健全化判断比率について「いずれも早期健全化基準を下回った」とした。公営企業会計で資金不足は生じていない。

 財政課の担当者は「実質収支は一見増額しているように見えるが、国から交付された地方創生臨時交付金などの交付金の余剰分は返還が必要なため、実質的な額は前年度と同程度となる」と説明した。