「ブルーパワープロジェクト」協力246店、特典工夫も認知度に課題 趣旨伝わらず転売も


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「オキナワブルーパワープロジェクト」で配布されたリストバンドを手首にはめ、那覇市内を歩く観光客=2021年8月

 「オキナワブルーパワープロジェクト」の公式ホームページによると、246店が協力店舗として参加している。リストバンドを着けた観光客に対する特典は、商品の割引やワンドリンクサービス、ホテルのレイトチェックアウト無料などさまざまだ。

 アイスクリーム販売などのフォーモストブルーシール(浦添市)は、リストバンド提示で会計から5%減額する。同社によると8月1日から9月7日までに、8店舗で68件の利用があった。全国でも数少ない取り組みで、県外の自治体などから問い合わせや資料の提供要望もあるという。

 一方で、観光客数を増やすことではなく、感染拡大リスクの低い観光客の割合を高めて「安全な沖縄観光」を実現するというプロジェクトの趣旨が理解されていない部分もある。

 今回判明した転売問題に、参加事業者の南都の大城宗直社長は「転売はびっくりした。安心、安全への取り組みだったが、単にサービスが受けられるクーポン券として捉える人がいる」と苦言を呈した。

 認知度向上も課題だ。那覇市内の協力飲食店の男性は「リストバンドを着けて来る人はほとんどいない。ワクチンを受けてから来る観光客はもっと多いと思うが、知られていないのではないか」と話した。

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