対テロ戦争「民主主義と治安維持は難しい活動」 イラク従軍、沖縄出身の海軍広報


この記事を書いた人 Avatar photo 嶋野 雅明
イラクでの従軍経験を語るロバート・ヘルトンさん=9月9日、うるま市の米軍ホワイトビーチ

 米中枢同時テロに端を発する米国の対テロ戦争は、アフガニスタン戦争、イラク戦争と約20年にわたった。在沖米海軍艦隊活動司令部で広報・渉外部長を務めるロバート・ヘルトンさん(39)は、米海兵隊に在籍していた2004年、イラクでの対テロ作戦に従軍した。自身の従軍経験を振り返り、「民主主義と治安の維持は難しい活動だ」と強調した。

 ヘルトンさんは元米兵の父親と旧石川市出身の母親の間に生まれ、小学生まで宜野湾市内で過ごした。米本国に移住し、同時テロの発生直前に米海兵隊に入隊していた。テロ攻撃に遭ったニューヨークの光景をテレビで目にし、「自分の国を守らねば」との思いに駆られたという。

 在沖基地などでの勤務を経てイラクに派兵された。現地では主要道路の監視活動などに従事した。基地には武装勢力からの砲撃が頻繁にあり、戦死した仲間もいた。「現場では淡々と任務をこなしたが、帰国直後は花火の音にも反応していた」と語る。

 05年に除隊し、その後軍属として再び日本へ。昨年から生まれ育った沖縄で勤務している。9・11テロから20年の節目に重なるアフガンからの米軍撤退について、ヘルトンさんは「国を守ることや、相互理解を深めて問題解決を図る難しさを感じたが、ギブアップは良くない」と言葉を選びつつ語った。