南部土砂採取中止求め国に署名3万超 ガマフヤー具志堅さん、遺骨DNA鑑定も要請


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厚生労働省の担当者(右)に沖縄本島南部からの土砂採取の計画中止を署名を手渡す具志堅隆松さん=14日、国会内

 【東京】米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設工事で、沖縄戦の激戦地だった本島南部の土砂を使用する計画を巡り、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表は14日、国会内で計画中止を求める防衛省、厚生労働省との交渉に参加し、3万3389人分の署名を手渡した。具志堅氏は、「計画の強行は遺族と国民、戦没者に対する裏切りだ」と語気を強めた。

 交渉では、厚労省に太平洋戦争の戦没者52人分の遺族DNA鑑定も求めた。

 交渉には1945年、潜水艦の乗組員として沖縄からサイパンに向かう任務途中に29歳で戦死し、海没した日本兵の遺族、安間妙子さん(76)=愛知県=もオンラインで参加。「命あるうちに父をこの胸にだき、亡くなった母のお墓に入れてあげたい」と遺骨引き上げとDNA鑑定を求めた。

 具志堅氏は、「変更承認後の埋め立てに使用する土砂については、工事の受注者において決定するものだが、他方で遺骨の問題は大変重要だと考えている」などと繰り返す防衛省側の証言に「業者の責任ではない。国の責任だ」と強く反論した。

 自民党総裁選が17日に告示、29日に投開票を迎えるのを踏まえ、「総理大臣になるであろう候補者に公開質問状を出す」とこの問題に関する見解をただす考えを示した。立憲民主党や共産党など野党党首にも郵送で質問状を送るとし、「あまりにも非人道的な話が通るわけがない。計画は撤回するしかない」と改めて強調した。