「パワハラと認めない」 照屋氏、県職員叱責で主張 県議会一般質問


社会
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パワハラ疑惑を否定し、県の対応を批判する照屋守之氏=27日、県議会

 県立中部病院で発生した新型コロナウイルスの大規模クラスター(感染者集団)を巡り、沖縄・自民の照屋守之県議から電話で叱責(しっせき)を受けた病院事業局職員が一時、休職に追い込まれた問題で、照屋氏は27日の県議会一般質問で「パワハラとは認めない」と主張した。県側が県議会に提出した公文書が発端となりパワハラ疑惑が生じたとして「社会的信頼を完全に失い、名誉を毀損(きそん)された」とした上で、法的措置も検討する考えを示した。

 照屋氏は県側が職員の聴取で「県庁内部ならばパワハラに該当する」(謝花喜一郎副知事)としたことを批判。職員が訴える照屋氏とのやりとりも事実ではないと主張した。

 一方で我那覇仁病院事業局長は職員の訴えを踏まえて、改めて「(職員の体調不良は)議員からの電話に関連したのは明らかだ」と反論した。

 照屋氏はパワハラ疑惑に対する緊急質問が行われた17日の県議会本会議から、体調不良のため議会を欠席していた。27日は事前通告していた12テーマ27項目のうち2項目の質問にとどめ、自身のパワハラ疑惑の反論に一般質問の時間をほぼ全て使った。照屋氏はたびたび休憩を挟み、県側の答弁も含んで一般質問は約1時間に及んだ。

 照屋氏は、県側が議会に提出した職員と照屋氏とのやりとり文書に自身の名前が記されていたことから、県の対応は個人情報保護条例や情報公開条例にも違反するなどと主張した。

 議場では、我那覇局長に自身とのやりとりの内容を繰り返し質問し、赤嶺昇議長から「互いが話した内容については誰も確認を取りようがない」と注意される場面もあった。

照屋氏「県議会は別」

 照屋守之氏(沖縄・自民)は27日の県議会一般質問が終わった後、本紙などの取材に応じ、自身の行動がパワーハラスメントと指摘されていることに対し「県庁内ならパワハラだと思う。県議会は別だ。われわれは県職員ではない」と釈明した。パワハラは否定したが、やりとりの内容や態度はハラスメントに当たる可能性を事実上、認めた形だ。一方、「感情的に責めたことは一切ない」とも述べた。

 中部病院のクラスター(感染者集団)公表遅れに言及し、「病院側は早めに公表したいと言ったのを県が何らかの形で止めたんじゃないか。むしろ県庁内のパワハラだ」と反論。自身の知人が中部病院で感染して亡くなったと説明した。

 県と県議会の関係について「県議はチェック機関で、執行機関は向こうだ。向こう(県)の権力がはるかに大きい。私は弱い立場だ」と持論を展開。県議と一職員の関係性では優位に立っていると記者から指摘されても「一緒だ。県の職員だからトータルしたら力を相当、持っている」と主張した。