県勢2人が最高峰へ挑戦! 砂川、嘉陽が女子バスケ・Wリーグデビュー


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Wリーグデビューに向け気合を入れる砂川夏輝(左)と嘉陽梨佳子(球団提供)

 16日に開幕する女子バスケットボールのWリーグで、2人の県勢がデビューする。今季から新規参入するアランマーレ(本拠地・秋田県)に所属する砂川夏輝(26)=中城村出身、西原高―早大出=と、嘉陽梨佳子(22)=うるま市出身、前原高―名古屋学院大出=だ。国内最高峰リーグへの参戦を前に「自分がどれだけ通用するか楽しみ」(砂川)、「アグレッシブにプレーしたい」(嘉陽)と胸を高鳴らせている。

ドライブでインサイドに切り込む砂川夏輝=3日、群馬県の高崎アリーナ(Wリーグ提供)

 砂川は161センチのガード。西原高で主将や司令塔を務め、名門早大に進学。全日本インターカレッジや関東リーグ戦1部で優勝を経験した。Wリーグ入りを目指していたが、卒業を前にどのチームからも声は掛からなかった。「小さい時から飛行機を見るのが好きだった」と那覇空港での仕事に就き、県内の社会人チームに所属した。

 一度は夢を諦めかけたが、仕事をしながら限られた時間でバスケをする中で「やっぱりバスケが好き」と再確認。2年前に転機が訪れた。国体成年女子のメンバーに選ばれ、コーチを務めていた元日本代表の久手堅笑美さんにWリーグに挑戦したい意志を伝えると「もう一回チャレンジした方がいい」と背中を押された。久手堅さんの仲介でアランマーレの練習に参加し、昨年4月に入団した。

 小柄だが、スピードと高い得点力が持ち味だ。今月上旬のオータムカップでは28得点した試合もあった。チームはリーグの中でも平均身長が低いため、副主将として「前から仕掛け、いい流れで攻撃につなげたい」と戦略を描く。26歳にして大きなチャンスをつかみ「自分が頑張ることで、沖縄の子たちが『自分も頑張ろう』と思えるきっかけになったらうれしい」と奮い立つ。

体をぶつけながら攻撃を仕掛ける嘉陽梨佳子(右)=5日、群馬県の高崎アリーナ(Wリーグ提供)

 176センチのパワーフォワードである嘉陽は、高校の頃から国体選手にも選ばれた才能豊かな選手。東海リーグの強豪である名古屋学院大で体の強さやドライブの鋭さに磨きを掛けた。大学4年の昨年末、「やるからには日本最高峰のリーグでプレーしたい」と秋田のトライアウトを受け、見事合格。今年4月にチームに合流した。

 社会人となってまだ半年ほど。先輩選手から学ぶことは多い。「学生の頃は練習をやらされている感じもあったけど、今はバスケが仕事。みんな主体的に練習に臨んでいる」と覚悟の強さをひしひしと感じている。東京五輪で日本女子が銀メダルを獲得し、Wリーグへの注目度が高まっていることも念頭に「その分責任も大きい。簡単な気持ちではプレーできない」と気持ちをたき付ける。

 Wリーグのチームとも対戦した今月上旬のオータムカップでは、当たり負けする場面もあった。リーグでは自身より大柄な選手も多いため「もっと体を強くして戦わないといけない」と成長を誓う。地元沖縄に対し「熱く、フレッシュにコートを走り回るので、沖縄から熱い声援をお願いします」と笑顔で語った。
 (長嶺真輝)