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睡眠時に見る「仕事の夢」 何を意味するのか【WSJ厳選記事】


ライフ

By  Rachel Feintzeig
2021 年 10 月 12 日 15:02 JSTプレビュー

目が覚めているときに気になっていることが夢に出てくる――コロナ禍も反映

 


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 プレゼンテーションをしているのにズボンをはいていない。出張で乗るはずの飛行機が誘導路を移動しているのに、まだ自分は搭乗ゲートに向けて走っている。初めての職場の上司がここで何をしているんだろう。

 こんな夢を見るのはあなただけではない。さまざまな境界線が消え、燃え尽きる人が増える中、仕事の夢を見るようになったという人は多い。新型コロナウイルスの流行が始まってからは特にそうだ。幸いにも、夢は問題解決に役立ったり、キャリアや自分自身について気付きをもたらしたりすることもある。

 「夢はいつもと違う脳の状態で思考することだ」とハーバード大学心理学講師のディアドラ・バレット氏は言う。目が覚めているときに心配していることや自分にとって大事なことは何でも夢に出てくるという。同氏の2020年の著作「Pandemic Dreams(パンデミック下の夢)」は9000を超える夢の調査に基づいている。

 新型コロナの流行が始まってから見る夢のほとんどには、昨年春の失業や今秋の職場勤務への復帰などあらゆることに関する不安が表れているとバレット氏は言う。見る夢を変えたければ、夢に見たいことを眠るときに頭の中に思い描くといい。同氏によれば、だいたい50%の確率でうまくいくという。

 マーケティングの仕事をしているニューヨーク州フローラルパークのアンドリュー・G・ローゼンさんにとって一番嫌な仕事の夢は、大失敗もなく、きまりが悪い思いをすることもなく、ただ会議用テーブルの前に座っているだけの退屈な夢だ。

 「何も起きない」夢のあとは「目が覚めたときに、24時間ぶっ続けで働いたあとのような疲れを感じる」そうだ。

 新型コロナの流行が始まってからローゼンさんがよく見る夢も、ズーム会議のときにどうにもならないくらいケーブルがからまったり、自分のマイクの音が出なかったり、同僚からあれこれ要求されて、戸惑う自分の顔がスクリーンに映っていたりと、楽しいものではなかった。

 少なくとも以前の仕事が出てくる悪夢からは学んだことがある。当時の上司が出てくる悪夢を繰り返し見たときは、そろそろ仕事を辞めたほうがいいと確信した。ビデオ会議の夢を見たのは在宅勤務が始まってから1年がたったころで、その結果は「これが自分の新しい生活だ」と単に実感したくらいのものだった。

 私たちが見る夢の多くは心の奥深くにある不安や恐怖、仕事で期待に応えていないという自分自身の思いに関わっている。

 デンバーのレストランで接客係として働くローレン・ウィークスさん(28)はドレッシングを出し忘れることはない。睡眠中の午前4時でもだ。

 

 「43番にケチャップ!」。ボーイフレンドによると、ウィークスさんは寝言でそう叫んだそうだ。

 「みんなが私のことを嫌っていたり、自分は最低の接客係だったりする夢を見る」とウィークスさんは言う。そうした夢を見始めたのは初めて接客係として働いた晩で、何年も前のことだ。今では笑い飛ばすことを覚えた。

 「自分に自信がついたと思う」とウィークスさんは話した。

 ワシントン大学経営学教授のクリストファー・バーンズ氏によれば、私たちは睡眠中に感情にまつわる出来事を処理していて、意識を失っている間にその日にあった不運な出来事の不快感を和らげているという。

 ただ否定的な感情の中には翌朝になっても消えないものもある。バーンズ氏らの研究では、労働者は官僚主義のような障害に直面したり、雇用の安定が脅かされたりするなど、仕事中にある種のストレス要因を経験したときに悪夢を見た。睡眠の質や時間にかかわらず、翌朝は不愉快で悲しい気持ちになった。

 「夢は一種の連結装置だ」とバーンズ氏は話した。

 夢は創造的に物を考え、問題を解決する機会にもなる。エボニー・アンダーセンさんはロサンゼルスに開店する大麻バーの設計を決めるのに苦労していたときにある夢を見た。

 夢の中でこれから作るバーの「雰囲気、音楽、匂いを感じた」とアンダーセンさんは話す。夢で見たことを基に、草と革の成分を含む特注の香りをつくり、床はコンクリートではなくヘリンボーン柄の木製にすることにした。

 ビジネスソフトウエアのレビューサイト「G2」の最高経営責任者、ゴダード・アベルさんは新型コロナの流行が始まったころ、毎晩のように汗びっしょりになって目が覚めた。

 カレンダーを見ると、顧客にプレゼンをする日なのに全く準備ができていないことに気付いてショックを受けるという夢だ。

 アベルさんはこの夢を、自分をもっと大事にしなければならないというサインだと受け止め、サドゥグルというインドのヨガ行者で神秘主義者が勧める夕方のルーティーンを始めた。瞑想(めいそう)したり冷たいシャワーを浴びたりするなど3時間かかるもので、就寝前に食べたり飲んだり、携帯電話を見たりしてはいけない。

 これを実行すると、睡眠が変わって深くなり、ありがたいことに悪夢も見ない、とアベルさんは思っている。目が覚めるときは何も思い出さないそうだ。




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