産科医の診療報酬詐欺「事実なら信頼失墜」 沖縄県医師会が陳謝 患者の転院対応


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診療報酬詐欺事件を受けて謝罪する県医師会の役員ら=21日、南風原町の県医師会館

 沖縄市内の産婦人科クリニック院長が診療報酬詐欺事件で逮捕されたことを受けて、県医師会(安里哲好会長)は21日、南風原町の県医師会館で記者会見を開き、謝罪した。同クリニックに入院中の患者がいるため、県産婦人科医会が医師を派遣し、転院させるなどの対応を取った。

 県医師会の安里会長は「本件が事実であれば、高い倫理性が求められる医師の信頼を失墜させるものであり、誠に遺憾だ」と陳謝した。同会は九州厚生局による行政処分が出るか、裁判で有罪が確定した場合、男性院長に対し何らかの処分を科す方針。

 県産婦人科医会は21日、同クリニックに医師を派遣し、十数人の入院患者を問診した。緊急性の高い入院患者3人が県立中部病院などに転院したほか、残る患者も希望などを聞きながら22日以降に転院を進めていく方針。通院患者の正確な人数は分かっていないが、中部地区医師会に相談窓口を設け、希望などを聞きながら他の産婦人科などを紹介していくという。

 同クリニックに勤める医療スタッフなどの対応については、「県産婦人科医会が中心となって対応するかも含めて検討していきたい」とした。


 

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