県産品魅力世界へ、宣言解除後初の大型催し “ウィズコロナ”見据え、沖縄の産業まつり


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入場時に検温する来場者=23日、那覇市のパレットくもじ前イベント広場

 23日に開幕した第45回沖縄の産業まつりは、緊急事態宣言が1日に解除されて以降初めてとなる大型イベントとなり、会場には多くの県民が足を運びにぎわいを見せた。主催する実行委員会メンバーの県や経済団体などは「ウィズコロナ」を踏まえ、まつりを成功させることで今後の安全安心なイベント運営のモデルケースにしたい考えだ。

 リアル会場では、人流を制限するために入り口と出口を別々に設けた。新型コロナ感染者が出た場合に通知するため、入場する際には、県LINE(ライン)公式アカウント「RICCA(リッカ)」の利用が求められ、利用していない場合は、氏名や住所、連絡先を明記する。

 パレットくもじ前イベント広場の「ありんくりん市」の入場案内を担当した係員女性によると、リッカの利用は半分程度だったという。係員は「入場時に求められたことで、リッカを登録する人もいたので、登録者を増やす機会になっているのではないか」と推測した。

 検温と消毒は昨年も行われたが、今回新たにチェック済みを示すリストバンドを手首に巻いてもらい、2度目以降は並ばずに来場できるよう工夫を凝らした。ワクチンを接種するなど感染対策を取る来場者を優遇する策も取られ、各会場では、ワクチン接種済み証明書やPCR陰性証明などを提示すると、商品などがプレゼントされた。

 那覇市の中得充規さん(45)は、県庁前県民広場の会場で証明書を提示し、エコバッグを手に入れた。「優遇されることでワクチン接種者が増えるのであれば、いい取り組みだと思う。入場時も万全の体制だったし、安心してイベントを楽しむことができた」と、感染防止体制に理解を示した。

 食品を買い求めていた那覇市の吉田千恵さん(79)も「久しぶり(のイベント)でうれしい。感染対策を徹底すれば、安心して買い物ができる」と満足そうに話した。

 産業まつりを視察した県の嘉数登商工労働部長は「今後はリゾテックエキスポ2021や沖縄大交易会なども控えている。産業まつりの経験を、こうしたイベントの開催運営にもぜひ生かせられたらと思う」と述べた。