首里城 仮設デッキ利用へ 解説板で“見せる復興”


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上空から見ると右手前の赤瓦屋根の奉神門から北殿跡を迂回するように設けられた仮設見学デッキ=24日午前、首里城公園(小型無人機で撮影)

 沖縄総合事務局と県、沖縄美ら島財団は26日、2019年に焼失した首里城正殿などの復元作業を見ることができる仮設見学デッキを公開した。復元作業で使われる木材の倉庫が御庭(ウナー)に設置されるため、これまで奉神門から御庭を通っていた見学ルートは、仮設見学デッキを利用するルートに切り替わる。27日から一般公開される。

 仮設見学デッキは全長139メートル、横幅3メートル。勾配は最大5%となっており、車いすの来場者にも配慮した。見学ルートは切り替わるが、これまで通り正殿基壇遺構や女官居室を見学することができる。

 木材倉庫施工のためにデッキに設置された工事用仮囲いには、復興の過程を解説する板を設置し、見せる復興に取り組んだ。また、仮囲いには透明の板や、穴を開けた板などを設置し、デッキから作業の様子が見られるよう工夫した。

 見学デッキからは龍潭池や円覚寺など、首里の街並みも見渡せる。沖縄総合事務局国営沖縄記念公園事務所の譜久山誠首里出張所長は「街並みや小道の形は琉球王国時代から変わっていないこともある。解説板も設置しているので見比べてほしい」と呼び掛けた。

 今回の見学デッキ周辺の解説板整備に合わせて、広福門のチケット販売所手前と大龍柱補修展示室に大型モニターを設置した。それぞれ、最新のイベント情報発信や大龍中の補修作業を紹介する。