経済回復、性の多様性、軽石…沖縄県民が衆院選当選者に注文したいこと


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那覇の街並み

 新型コロナウイルスの感染拡大後では県内初となった衆院選。投開票から一夜明けた1日、県民からはコロナ禍で打撃を受けた経済の回復や性の多様性に関する政策、県内各地で広がる軽石被害への対応など、多岐にわたる課題への取り組みを求める声が上がった。

 那覇市の飲食店従業員、宮城千佳さん(41)はコロナからの経済立て直しを重視して投票先を選んだ。この1年半、休業や時短営業が続き、不安定な経営に将来への不安が膨らむ。「感染拡大で飲食店が翻弄(ほんろう)されない政治を期待したい」と語った。

 性の多様性に関する政策も問われた今回の衆院選。女性、男性のどちらにも当てはまらないと自認する「Xジェンダー」の比嘉利加さん(30)=南城市=は「国民の多くにとって、性の多様性はまだ関心事ではないような印象を受けた」。投票率低下についても「一人一人が投票所に足を運べば国も変わる。自治体主体で投票の意義や候補者、各政党が掲げる政策などを学べる場を設けてほしい」と注文した。

 軽石の漂着で漁業被害が出て、生態系への影響を懸念する声が上がる国頭村。安田区の上地哲区長は「漁に出られない状況が続いている。選挙前は政治家も視察に来ていたが、人力での除去には限界がある」と訴える。国や県に一日も早い原状回復の取り組みを望んだ。

 先島諸島では陸上自衛隊配備計画が進む。石垣市の農業、具志堅正さん(60)は自宅近くで進む計画に反対する。自民の絶対安定多数の結果に「配備計画への勢いがついたと心配している」と不安そうに語る。政権が継続したことについては「いろいろと公約は出していたが、特定の人だけが潤うのではないか。期待していない」と淡々と話した。