沖縄の15歳がSUP世界3位 ツアー最年少快挙 名護の荒木さん


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スプリントで荒波に挑む荒木珠里さん=7日、米ノースカロライナ州(父・汰久治さん提供)

 【名護】 米ノースカロライナ州で6、7の両日に開催されたプロフェッショナルパドルサーフ協会(APP)の、2021年の世界ツアー「カロライナカップ」で、名護市立小中一貫教育校緑風学園9年生の荒木珠里(しゅり)さん(15)が史上最年少で総合3位に入賞した。大会はSUP(スタンドアップパドルボード)の技術などを競う。世界ツアーに参加するのは世界トップの35人のみで、最年少出場での快挙となった。

 荒天で一時開催が危ぶまれたが、コースや競技区間を変更するなどして開催した。初日は15キロの長距離のタイムを競うディスタンスレースで4位、2日目は波の中で約500メートルの短距離をこいで速さを競うサーフスプリントで6位に食い込み、総合で3位になった。

荒木珠里さん

 SUPはボードの上に立ってこぐ競技で、珠里さんはこれまでにジュニア世界大会の優勝や一般部門で3位入賞などの実績がある。父の汰久治さん(47)は「(2028年の)ロサンゼルスオリンピックの時は珠里は22歳。正式種目に採用されたらぜひ金メダルを狙ってほしい」と目を細めた。

 自宅のある名護市安部の海で幼稚園の頃から、ウミンチュの祖父・玉城昭亘さん(81)の後を追って網漁などに親しんでいたという珠里さん。小学校に上がって、SUPの世界大会などに出場していた汰久治さんの手ほどきを受け、めきめきと実力を付けた。

 珠里さんは「沖縄と今回のノースカロライナ州の海は波の状況も違うので難しかったが、やんばるで自然を相手に練習してきた成果を、今回の荒れた海で発揮できた。早く沖縄に戻ってみんなに報告したい」と声を弾ませた。
 (松堂秀樹)