書と心磨き60年 茅原南龍さん講演、筆さばき披露


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講演中に筆を執る茅原南龍さん=13日、那覇市泉崎の琉球新報ホール(喜瀨守昭撮影)

 書家の茅原南龍さん(82)の書業60周年を記念した書展「畊不盡(こうふじん)(たがやせどもつきず)」(主催・同実行委員会、共催・琉球新報社、茅原書藝會、鵬成会)の特別企画「実技講演会 ときめく心」が13日、沖縄県那覇市泉崎の琉球新報ホールで開かれた。茅原さんが書を披露しながら、書家としての歩みや考え方などを語った。

 小学校の担任から水彩絵の具と筆をもらったことが書に興味を持つきっかけだったという茅原さん。物事が上達する秘訣(ひけつ)は「素直に聞く力」だと強調した。受け身でいるのではなく自ら師に方法を聞き、まねることが大事とし「これは必ず集中力、創意工夫につながる。心を磨くと腕も磨かれる」と話した。

 2019年に病気で半年間入院した時には、筋力が落ちて歩けなくなったが「絶対にくたばってはならない」と病床でも書き続けた経験を振り返った。

 舞台上で筆を執り、筆への感謝を示す言葉などを書き上げた。最後は「健康第一」と力強くしなやかな書を披露して締めくくった。

 同郷の石垣島出身で、茅原さんの作品「於茂登岳讃歌」に曲を付けた民謡歌手の大工哲弘さん(73)が三線を手に曲を初披露した。

 茅原さんの書展は14日の午後5時まで琉球新報ギャラリーで開催している。最終入場は午後4時半まで。