ゆいレール沿い「心霊スポット?」その正体は…沖縄のトンネルを行く


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浦添市の前田トンネル。真上をモノレールが走る

 沖縄都市モノレール(ゆいレール)経塚駅に隣接する浦添市の前田トンネル。2000年の開通以来、地域住民の生活道路として使われてきたが、地元の人以外にとってなじみは薄い。しかし、トンネルの上には沖縄を代表する偉人のお墓がある。その人物の名は組踊の創始者の玉城朝薫だ。

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 朝薫の墓が発見されたのは1984年。道路計画の調査で発見され、2005年に復元された。墓を保全する観点から予定していた道路計画は取りやめて、眼鏡トンネル方式となった。墓は17世紀後半に造られたと推定され、内部には天井を支える石柱があり、墓庭の石垣は曲線を描いている。市は「亀甲墓が成立していく時期の貴重な墳墓」として1995年に文化財に指定した。

 歴史香る前田トンネルだが、ネットでは「心霊スポット」と、不穏な言葉が並ぶ。理由を探ると、工事の関係でトンネルが長い間、片側しか通行できない状態だったことで良からぬ臆測を呼んだとみられるが明確な理由は不明だ。

 そんな前田トンネルについて、前田自治会の石川仁孝会長(67)は「心霊スポットなどとんでもない。むしろ、玉城朝薫が眠る格式高いトンネルだ。モノレールも墓を避ける形で沿線がCの形になっている」と胸を張る。車だけではなく、モノレールでも楽しめるトンネル。それが前田トンネルだ。


 

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