経済
ウォール・ストリート・ジャーナル厳選記事

エアビー選好の投資家、エクスペディアも要注目【WSJ厳選記事】


HEARD ON THE STREET

頻繁な長期滞在は将来どれほど現実的か

By Laura Forman
2021 年 11 月 16 日 11:25 JST 更新プレビュー


――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***

 民泊仲介サイト大手エアビーアンドビー(Airbnb)のブライアン・チェスキー最高経営責任者(CEO)が職場からの解放という福音を説くのを聞くと、世界が永遠に変わったと思えてくる。一方、オンライン旅行代理店大手エクスペディアのピーター・カーンCEOと話すと、今度は地に足が着いたように感じる。誰を信じるかによって、旅行に関する投資方法が決定づけられる。

 旅行関連銘柄は11月初旬に急騰した。7-9月期の好調な決算発表は、人々の移動が再び活発になっていることを高らかに告げた。Airbnbとエクスペディアの株価は共に、今年に入り30%を優に超えて上昇しているが、両者の価値提案は大きく異なる。Airbnbは昨年、付帯事業を縮小し、基幹の民泊事業に集中している。エクスペディアは民泊事業「Vrbo(バーボ)」の財務情報を開示していないものの、今年は同事業がこれまでにない好調さだと述べている。



 最近では、Airbnbの一点集中は功を奏している。同社は7-9月期の予約総額が2019年同期に比べ23%増、売上高が同36%増となり、過去最高の業績を達成したと発表した。エクスペディアによると、今年のVrbo顧客の半分以上は、このプラットフォームを初めて利用した人だ。これは代替宿泊施設への関心が依然として高いことを示す兆候だ。ただ、同社の事業全体は、7-9月期も依然として2019年の水準には及ばず、総売上高は2年前の同四半期を12%下回った。

 新型コロナウイルス流行の影響で民泊の普及サイクルが早まったのは確かなようで、このセクターには新たな関心が集まり、定着するはずだ。とはいえ、これらの新規顧客が二度とホテルを選ばないというわけではない。ファクトセットによると、米ホテルチェーン大手マリオット・インターナショナルの売上高は2020年4-6月期に底を打ち、前年同期比72%減となったが、21年7-9月期の売上高は19年同期に比べ25%減にとどまった。ウィンダム・ホテルズ・アンド・リゾーツの7-9月期売上高は19年同期と比べてわずか17%減だった。また、STRのデータによると、米国のホテル稼働率は、11月6日終了週に19年の同時期に比べわずか13%減となった。

 Airbnbは、人気が続いている長期滞在について多くのことを示している。同社は7-9月期の株主向け書簡で、28日以上の滞在が総宿泊数の20%を占めると明かした。このような期間の滞在はホテルではほとんど見られない。ABバーンスタインのリチャード・クラーク氏によると、長期滞在型のホテルであっても、7泊未満の滞在が82%となっている。

 しかし、将来的に頻繁に長期滞在することはどれほど現実的なのか。リモートワークが定着したとしても、他にやらなければならないことがあるため、長期休暇や、仕事とレジャーを兼ねた「ブレジャー」(bleisure、businessとleisureを組み合わせた造語)な旅行は最小限にとどまるだろう。米国勢調査局によると、昨年は全世帯の40%が子供と一緒に暮らしていた。つまり、こうした家庭では、大人がオフィスに戻るかどうかにかかわらず、1年の4分の3で旅行計画が学校のスケジュールに翻弄(ほんろう)されることになる。

 Airbnbのチェスキー氏はインタビューで、全ての人の生活がコロナ後に劇的に変化するとは思わないと述べている。しかし、10%の家庭だけでも多くの柔軟性を得ることができれば、業界に大きな変化をもたらす可能性があるという。

 そうした大きな変化の恩恵を受けられるかどうかは、予約の増加に対応するためにAirbnbが供給を大幅に増やすことができるかどうかにかかっている。Airbnbは世界で600万件近い予約可能な物件を扱っているが、そのほとんどは1年のほんの一部しか利用できない。これは世界のホテルの客室供給に見劣りする。STRによると、世界のホテル客室数は1950万室を超える。Airbnbは7-9月期も引き続き供給が増加したと指摘しているが、AirDNAのデータによると、Airbnbの利用できる物件とホストの数は8月以降に減少している。2020年1月以降(10月時点)では、物件数は5%増、ホスト数は2%増にとどまっている。

 旅行業界の復活に賭ける投資家は、エクスペディアのような定番の予約業者にヘッジをかけてみるのも一手かもしれない。




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