新たな旅のスタイル「ワーケーション」沖縄で協議会設立 産官学連携で経済効果を 


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沖縄リゾートワーケーション推進協議会共同代表の(右から)県銀行協会の佐喜真裕氏(山城正保会長の代理出席)、沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長、琉球大学の西田睦学長=17日、那覇市のロワジールホテル那覇

 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)は17日、「沖縄リゾートワーケーション推進協議会」を立ち上げた。行政や企業・団体、教育機関などがワーケーションに関する取り組みや課題を共有することで活動を広げ、経済波及効果を高めることを目的としている。

 ワーケーションは、仕事と休暇を両立させる新たな旅のスタイルで、新型コロナ禍で在宅勤務が浸透し、働き方が多様化していることから今後の成長分野と目されている。沖縄観光にとっては、課題となっている滞在期間の長期化や観光消費額の拡大、ビジネス交流の促進につながると期待されている。

 協議会の設立を記念したシンポジウムが那覇市のロワジールホテル那覇で開かれ、玉川大学観光学部長の家長千恵子氏が基調講演した。家長氏は、テレワークの認知度は高まっているが、ワーケーションを導入する企業はまだ少ないとし、有給休暇の取得促進や生産性向上につながるなど企業側のメリットを伝える必要があると強調した。

 家長氏は「ワーケーションは遊びじゃないというイメージを作るのも大事だ」と話した。

 県内の取り組み事例として、カヌチャベイリゾート(名護市)の白石武博社長が、昨年10月に開業したワーケーション施設「カヌチャリアンリゾートオフィス」を紹介した。入退室時にカードキーを使うことで、利用者の勤怠管理ができる仕組みを作っている。また一人親家庭の親でも安心して利用できるよう、子ども向けの体験プログラムなども提供している。

 協議会の共同代表はOCVBの下地会長、琉球大学の西田睦学長、県銀行協会の山城正保会長が務める。立ち上げメンバーとして17社・団体が幹事会として参加しており、12月から会員を募集する。

 22年度以降は、誘客や滞在について話し合う「観光・誘客部会(仮)」、企業活動などを議論する「産業振興部会(仮)」、地域ごとの取り組みを協議する「地域・受入部会(仮)」の3部会を立ち上げる予定。

 下地会長は「沖縄への関心を高め、新しいライフスタイルを構築できる取り組みにしたい」と話した。