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ウォール・ストリート・ジャーナル厳選記事

中国の極秘建設活動、米の警告でUAEが阻止【WSJ厳選記事】


♦WSJスクープ国際

By Gordon Lubold and Warren P. Strobel
2021 年 11 月 20 日 04:14 JST 更新プレビュー


 【ワシントン】米国の情報機関は今春、中東の同盟国であるアラブ首長国連邦(UAE)の港湾に、中国が軍事施設と疑われるものを秘密裏に建設していることを把握した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

 バイデン政権はこれを受け、中国軍の駐留が米国とUAEの関係を脅かす恐れがあるとUAE政府に警告した。その後、米政府関係者の訪問や会合を経て、最近になって建設が中止されたという。

 こうした情報や米国の警告は、UAEの首都アブダビ近郊の港にある建設現場に関するものだった。関係者によると、UAE政府は米軍の駐留を受け入れており、米国から最新鋭戦闘機や無人機の購入を目指しているが、中国の活動が軍事的性質を持っていることは認識していなかった。

 中国がUAEに軍事拠点を築こうとしていること――そしてバイデン政権がUEAに基地建設の阻止を説得したこと――は、米政権が世界で中国への対抗を試みる中で直面する課題を映し出している。

 中東は米中の競争の主戦場となっている。米国は数十年にわたってこの地域で中心的な役割を果たしてきた。イスラエルの建国を支援し、地域に軍を駐留させ、最近ではイスラエルとUAEを含む一部湾岸諸国との関係を正常化するアブラハム合意を成立させている。中国政府は貿易合意やワクチン外交でこれに対抗してきた。そして現在は、軍事的プレゼンスを拡大しようとしているように見える。

 UAEの港湾における中国の活動は、同国の他の試みと同様に、商業的な結びつきを利用して軍のための拠点を確立することから始まった。中国は2017年、インド洋やアフリカ周辺での活動を促進するため、東アフリカのジブチに海外初の軍事拠点を開設。2019年にはカンボジアで、自国軍が海軍基地を使用できるようにする秘密協定を結んだ。他にも、中国はパキスタンやスリランカで、海軍が利用できる商業港施設を建設している。

 近年ではUAEとの経済関係を強化し、今やUAEにとって有数の貿易相手国となっている。中国は湾岸産原油の最大の消費国でもある。一方、UAEは、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の通信インフラを採用しているが、欧米の政府当局者はファーウェイ製機器について、中国のスパイ活動の影響を受けやすいと警告している。中国政府はそうした疑惑を否定している。

 関係者によると、およそ1年前、アブダビの北50マイル(約80キロメートル)にあるハリファ港で中国が不審な動きをしていることを示唆する情報が米当局者の耳に入った。中国遠洋運輸集団(チャイナCOSCOシッピング・グループ)は同港に商業コンテナターミナルを建設し、現在はそのターミナルを運営している。

 関係者によると、当初の情報は決定的ではなかった。だが今春、機密扱いの衛星画像から、米政府当局者は中国が同港に何らかの軍事施設を建設していると結論づけた。これに危機感を抱いたバイデン政権は、現場が軍事使用を目的としており、建設を中止すべきであることをUAEに説得するため、熱心な外交活動を展開した。

 ワシントンのUAE大使館報道官は、「UAEは中国の軍事基地や前哨基地を受け入れる合意計画、協議、意図を持ったことは決してない」と述べた。

 在米中国大使館の報道官からコメントは得られていない。
 




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