陸自第15旅団、漁港で洋上監視訓練 国頭村の辺土名、安田に車両


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レーダーとみられる機材を装備する自衛隊車両=22日、国頭村の辺土名漁港

 【国頭】陸上自衛隊第15旅団は22日、沖縄県国頭村内で訓練を実施した。辺土名漁港と安田漁港には自衛隊の車両が複数台訪れ、レーダーとみられる機材などを設置した。自衛隊は19日から全国各地で統合演習(実動演習)を展開しているが、同旅団は本紙取材に「統合演習とは別の旅団としての洋上監視訓練」としている。

 安田漁港では同日午前、自衛隊車両4台が入った。港内の建物屋上には回転式のレーダーとみられる機材が設置された。辺土名漁港でも同様の機材を装備した車両などが確認された。国頭漁協によると、1カ月ほど前に自衛隊側から施設を使用するとの連絡があった。両漁港ではこれまでも同様の訓練を実施した例があるという。一方、県には漁港使用に関する事前連絡はなかったという。

 チョウ類研究者の宮城秋乃さんは安田漁港での訓練を目撃。「小さな軍事活動でも積み重ねれば自然破壊につながる」として現場で抗議した。

 訓練について県の担当者は「漁港を占用していない。県の許可が特段必要な内容ではないと承知している。漁協の同意も得て実施したと聞いている」などと説明した。第15旅団は「訓練の細部については部隊能力を暴露する可能性と安全管理の観点から回答できない」としている。