子どもの権利保障を 沖縄県、虐待防止へシンポジウム


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県主催のシンポジウムで登壇し、子どもの権利保障に関する意見を出し合うパネリストら=20日、那覇市の県立図書館

 沖縄県は20日、「おきなわ子どもの権利週間」の取り組みの一環で、子どもの権利や虐待防止に詳しい有識者を集めたシンポジウムを県立図書館で開催した。登壇者らは虐待のない社会の実現のため、子どもの権利条約に基づくさまざまな権利を保障する必要性を訴えた。

 子どもの権利条約総合研究所の荒牧重人代表(山梨学院大法学部教授)が基調講演した。荒牧氏は「差別の禁止」「子どもの最善の利益」「生命・生存・発達の権利」「子どもの意見尊重」を一般原則とする子どもの権利条約を説明し、子どもの権利を守る条例や権利擁護に関する公的な第三者機関制度が必要との認識を示した。

 荒牧氏は「子どもはだんだんと人間になるのではなく、すでに人間である」という言葉を紹介。子どもの権利を主張することが甘やかしにつながるといった「わがまま論」は責任転嫁しているだけだと非難し、「大人の無理解や無関心で権利を奪ってはならない」と指摘した。

 パネル討論にはNPO法人子どもシェルターおきなわ理事長の横江崇弁護士、県中央児童相談所の後野哲彦所長、おきなわCAPセンターの奥間智香枝事務局長、おきなわ子ども未来ネットワークの山内優子代表理事、お笑いタレントの仲座健太氏が参加した。