沖縄産シングルモルトウイスキー「金康」海外に 新里酒造が輸出


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県産ウイスキー「金康」をアピールする(左から)新里酒造の新里尚也製造部課長、新里建二社長、県工業技術センターの市場俊雄所長、紀元智恵氏=25日、県庁

 新里酒造(沖縄市、新里建二社長)は25日、県産のシングルモルトウイスキー「金康」(700ミリリットル瓶)の輸出を始めると県庁で発表した。麦芽から全ての工程を手掛けたウイスキー商品は同社として初めて。シェリー樽で1年間熟成させた原酒をボトルに詰めた。レーズンやカラメル、はちみつの香り、ビターチョコレートのような味わいが特徴。度数は62度。

 12月~来年1月に250本の出荷を予定する。台湾の商社を通じ、欧米やアジア地域などに輸出する。

 泡盛出荷量が落ち込む中、同社はウイスキーを新たな事業として、2020年4月に国税庁からウイスキーの製造免許を取得した。同5月から製造を始め、県工業技術センターから技術指導を受けた。

 年間9千リットルを製造できる体制で、3年後には1・5~2倍に規模拡大したい考え。原料の麦芽はカナダ産の大麦を使っているが、今後は県産に切り替えることも目指す。

 気温の高い沖縄では短期間で熟成できる特徴があるといい、新里尚也製造部課長は「1年の熟成でも10年熟成に引けを取らない商品に仕上がった」と話す。新里社長は「泡盛が低迷する中、生き残りを模索している。泡盛もウイスキーも両方とも心を込めて作っていく」と話した。