米軍基地汚染水の全撤去求める うるまPFAS1600倍検出で日米に抗議


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米軍基地からのPFAS汚染水の撤去を求める、うるま市島ぐるみ会議のメンバーら=5日、うるま市内

 【うるま】沖縄県のうるま市島ぐるみ会議は5日、同市昆布の米陸軍貯油施設金武湾第3タンクファームの汚染水から基準値の1600倍に上る有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が検出されたことに対する抗議集会を同施設前で開いた。調査結果を公表していないことにも抗議し、全ての在沖米軍基地から汚染水を撤去するよう求めた。約60人が参加した。

 同会議の照屋寛之共同代表は「有害物質を住宅地に垂れ流してはいけない。日米両政府が責務を果たせないのなら、基地は直ちに出て行ってほしい」と強調した。

 「PFAS汚染から市民の生命を守る連絡会」共同代表の桜井国俊沖縄大名誉教授は「国の基準は緩すぎるが、さらにその1600倍というのはとんでもない数値だ。何よりいつまでも調査結果が説明されないことが問題だ」と批判した。

 参加者は(1)調査結果の早急な公開(2)貯水槽周辺の土壌や天願川の汚染調査(3)老朽化した汚水槽の撤去―などを求める決議を拍手で採択した。決議文は後日、日米関係機関に提出する。

 調査は6月に同施設から汚染水が流出したことを受け、日米地位協定の環境補足協定に基づき県と国、米軍の3者が実施していた。 (宮城隆尋)


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