FC琉球、最終戦を逆転勝利で飾る J2の3季目9位の最高位


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 サッカー明治安田J2の今季最終試合となる第42節第2日は5日、各地で行われ、FC琉球はカンセキスタジアムとちぎで栃木SCと戦い、2―1で逆転勝ちした。通算成績を18勝13敗11分けの勝ち点65とし、J2の3季目で最高の9位でシーズンを終えた。昨季の16位から躍進した。得点は57点で昨季より1点減らし、失点は47点で14点減らした。

 前半は互いに競り合いながらも決定的場面は少なく0―0で折り返した。後半は19分に先制点を奪われたが、その直後に風間宏矢からの右クロスをゴール前の清武功暉が頭で合わせて同点弾を決めた。31分には赤嶺真吾がゴール前に流れてきたボールをしっかり蹴り込んで勝ち越しに成功した。

 今季最終戦を逆転勝利で締め、来季へ弾みをつけた。J2昇格から3季目で最高の9位。喜名哲裕監督は指揮を執った10月からの8試合で3勝1敗4分け。一時、不調に陥っていたチームを鼓舞して結果を残した。

 後半、失点した後も受け身にならなかった。相手陣地にDFが密集し、プレスをかけられる中、風間宏矢が堅守に風穴を開ける正確な右クロスを放り、清武功暉が頭で押し込んだ。

 同点に追い付くと、テンポのいいパス回しでリズムを取り戻し、再び右サイドから攻め立てた。狭いスペースに選手が入り混戦状態になる中で、巧みなパスで守備を突き崩した。

 31分、ゴール前に流れてきたボールを赤嶺真吾がDF陣の隙間を縫って押し込み、今季3点目。貴重な勝ち越し弾で勝利をたぐり寄せた。「チームとして上位で終わることができて良かった。今季はそこまで出場機会は多くなかったが、出たときは決めるという思いが強かった」と、ベテランらしい技ありゴールだった。喜名監督は「守備では全体でコンパクトさを保ち、連動してボールを奪えた試合が多かった」と今季を振り返った。来季に向け「シーズンを通し、相手から常に分析、研究される中、どう変化をつけながら軌道修正していけるかが大事になる」と飛躍を見据えた。


(2)カンセキ(琉球2勝)

琉球 18勝11分け13敗(65)
 2―1(0―0,2―1)
栃木 10勝15分け17敗(45)

▽得点者 【琉】 清武(9)赤嶺(3)【栃】 柳(8)
▽観客 5676人

◆ぶれずにやり切れた

 喜名哲裕監督(琉球)の話 先制点を奪われたが選手が勇気を持ってトライしてくれた。ぶれずにチームとしてやり切れた。過去最高の9位を全員で勝ち取った。赤嶺真吾は変わらずに得点への嗅覚を持っている。富所悠は今季、好不調の波がなくチームを支えてくれた。

◆体張りチーム鼓舞 退団の福井

 今季限りでチーム退団が決まっているセンターバックの福井諒司が奮起した。腕にキャプテンマークを巻き、体を張ったプレーでチームを鼓舞した。

 「栃木は球際の強さやパワーがあった。失点のシーンは相手がうまかったが、それ以外はこちらも負けていなかった」と必死に食らいついた。

 「悲しいが3年間でこれが最後のプレー。サッカーって楽しいと思った。沖縄に住んでいろんな人と出会えて成長できた」と周囲への感謝を伝えた。

 「今後どうなるか分からないけど、まだ選手でいたいのかな」と自問自答するように心の内を明かした。笑顔で試合後の会見に臨み、力を出し切ったという充実感を漂わせた。