沖縄の海、固有種の多さは世界一 クマノミの色にも多様性 ライマー准教授ら阿嘉島で講演


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講演するジェイムズ・ライマー博士=11月19日、座間味村阿嘉島の慶良間諸島国立公園ビジターセンターさんごゆんたく館

 【阿嘉島=座間味】座間味村阿嘉島にある慶良間諸島国立公園ビジターセンターさんごゆんたく館で11月19日、海洋生物の専門家による講演会が行われた。海洋生物調査のために島を訪れる予定をしていた琉球大学の准教授であるジェイムズ・ライマー博士から研究者チームによる講演の申し出があり、実現した。

 緊急事態宣言中は島内での公式行事は自粛していたため、久しぶりの公の行事となった。感染症対策をしっかりと行った。

 ライマー博士は、沖縄周辺のサンゴ礁における海洋生物多様性の重要さを、世界中のビールの銘柄の多さと比較して、ユーモアたっぷりに分かりやすく話してくれた。

 ライマー博士によると今までの調査データから、琉球列島の生物多様性の高さは世界で3番目、固有種の多さは世界一だという。「美しい海で調査ができ、たくさんの人に話をする機会があり、とても光栄でした」と笑顔だった。 

 沖縄科学技術大学院大学のマノン・メルカデー博士研究員と高宮城大樹技術員からはクマノミの色彩の多様性について報告。千葉県立博物館分館海の博物館の柳研介主任上席研究員はクマノミと共生するイソギンチャクの分類を再検討している現状の成果を、琉球大学博士学生の濱本耕平氏はナマコ類の環境中における生態学的役割について、それぞれ専門家の立場から解説した。

 参加者の一人は「今回の話を聞いて海の生き物を見る目が変わった。これからはクマノミの色の違いについても注意したい」と目を輝かせていた。

 (村石健一通信員)