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沖縄在来のコショウ「ピィパーズ」知ってる? 県全域に普及へ 那覇市役所屋上で栽培


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SDGsの三つの目標を掲げてピィパーズの普及に取り組む県ピィパーズ生産推進協議会のメンバー=那覇市泉崎の市役所庁舎屋上

 【那覇】沖縄在来の香辛料「ピィパーズ」。ピパーチ、ヒハツ、島コショウとも呼ばれるコショウ科のツル性植物で、和名はヒハツモドキ。ピィパーズの普及に取り組む県ピィパーズ生産推進協議会(宇根良則会長)は、SDGs(持続可能な開発目標)の三つの目標を掲げて活動に励んでいる。宇根会長は「ピィパーズの生産を県全域に広げて沖縄のブランドとして知名度を上げたい。県民が毎日の食卓に取り入れられるようにし、ピィパーズが持つ効能で健康長寿を目指していきたい」と力を込める。

 ピィパーズは石垣島での呼び名の一つ。同協議会の前身の「ピィパーズを生かす会」の立ち上げメンバーが石垣出身者だったことからピィパーズの名にこだわる。八重山諸島で昔から親しまれているピィパーズを広めたいと2006年に会を立ち上げた。発足当初の目的を達成したとして2020年10月に解散。次のステップとして同年11月に協議会(沖ピ協)を設立した。現在、離島を含む県内各地から90人以上が会員登録し、会員それぞれが生産にも尽力している。

那覇市役所庁舎屋上で栽培しているピィパーズ

 沖ピ協が目指すSDGsの取り組みは、目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標11「住み続けられるまちづくりを」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」の三つ。食事に取り入れて健康長寿につなげること、壁面緑化によるうるおいのある景観づくりで那覇市に貢献することを狙う。

 活動の一環として毎月1回、那覇市役所庁舎屋上で市が都市緑化の一環で栽培しているピィパーズの手入れをボランティアで行っている。また、苗作りや植え付け指導に加え、生産者と加工業者とのつなぎ役として新商品を生む仕組みを作り、経済に寄与することなども目指している。
 (中川廣江通信員)