「一斉臨時休校できないのか」沖縄、県教委に連絡殺到 学級・学校閉鎖の把握追いつかず


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 新型コロナウイルスの感染拡大で混乱を極める学校現場。県教育委員会には連日、県立学校や市町村教育委員会などから100件を超える連絡が入っている。「学校でこれ以上感染が広がる前に、一斉に臨時休校できないのか」と求める電話が多く、県教委内からも「県が独自に臨時休校措置を判断するべきでは」という声が漏れ聞こえる。感染による学級・学校閉鎖数なども把握が追い付かず、欠勤している教職員の数もまとめられていない。県教委も感染の急拡大で対応に追われている。

 

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 県教委では去る3連休も担当者らが出勤した。学校からの「学校PCR検査が受けられない。どうしたらいいか」「感染と濃厚接触による教職員の欠勤が多くて学校運営が難しい」「一斉に臨時休校すべきでは」などの問い合わせに応じた。

 市町村教委からは、小中学校での陽性者数や感染による学校閉鎖数などの報告が日に日に遅れている。県教委の担当者は「学校だけでなく市町村教委も混乱している」と話す。

 県教委保健体育課では、4~11日までの間に30校の県立学校で学級閉鎖や学校閉鎖などがあったことは分かっているが、数字の更新まで手が回らない。

 同課は「問い合わせの対応も間に合っていない。一日中電話対応が続いている。集計まで手が回らない状況だ」と窮状を訴える。

 県教委によると、休校措置は文科省の方針で、ロックダウン相当の措置が取られ、地域の経済活動が停止した場合に実施される。

 県教委幹部は「文科省と県の方針で、一斉の臨時休校ができないことを説明するが、当然納得してもらえない。休校を求める声が多く出ていることは県の関係部局に伝えている。学校も行政もすでに限界を超えている」と頭を抱えた。

  (嘉数陽)


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