有料

水道技術をサモアへ「沖縄のノウハウ生かす」 名護市元部長、JICA事業で派遣


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
サモア派遣への意気込みなどを語る金城進さん=13日、名護市港

 【名護】国際協力機構(JICA)は県内の行政機関と連携し、南太平洋の島国サモアの水道公社維持管理強化プロジェクトを実施している。元名護市環境水道部長の金城進さん(63)は19日、同プロジェクトのチーフアドバイザーとしてサモアへ出発する。金城さんは「沖縄も水不足が問題になっていたが克服してきた歴史がある。そのノウハウを生かしてサモアや大洋州の水道問題解決に貢献したい」と力を込めた。

 金城さんは1990年代には青年海外協力隊として、2010年にも宮古島市が実施する水道事業への技術支援に参加してサモアに滞在した経験がある。

 サイパンで暮らした経験のある母の影響で、小さい頃から「南の島」に興味を持っていた。「島国の開発に携わりたい」と思うようになり、大学では土木工学を専攻。ゼネコンを経て、名護市役所に入り水道事業などに携わった。

 サモアに赴任した頃、現地で浄水場維持管理と漏水対策を指導した。当時、浄水場から水が利用者の元に届くまでに5~6割以上が漏水していたが、その後の支援で3割程度に抑える成果を出した。「現地の人にはよくしてもらったので会うのが楽しみだ。技術を伝えてさらなる信頼関係の構築につなげたい」と語る。

 金城さんらの今回の派遣は、技術の定着を目的としている。県企業局や名護市、那覇市、南部水道企業団などが協力する。金城さんは持続可能な人材育成の拠点として、サモアを周辺国も含めた研修拠点とすることも目標としている。2025年まで赴任する予定だ。
 (長嶺晃太朗)