青果物流通業支援を 沖縄県内団体、コロナで窮状訴え


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
青果物流通業界の窮状を訴え、支援を求める山城隆則会長(右)と松田義弘副会長=27日、浦添市の県中央卸売市場

 長期化する新型コロナウイルス感染症の影響で、沖縄県内の青果物流通業界が大幅な売り上げ減少に直面している。県中央卸売市場協会(会長・山城隆則沖縄協同青果社長)は27日、浦添市の県中央卸売市場で会見を開き、窮状を訴えた。協会の会員は個人経営などの小規模店が多く、休業や廃業に追い込まれた事業者もいる。協会は会見を通じ、各会員が事業継続できるよう、財政支援や市場施設の使用料の免除などを政府や県に求めた。

 県中央卸売市場は1日当たり約200トン、年間約5万トンの青果物を量販店や学校給食、ホテル、飲食店などに供給している。だが、新型コロナの世界的流行の影響で、2020年度以降は観光業や飲食店需要が大幅に減少した。学校給食用の納品もキャンセルが相次いだため、仲卸や買参人の経営は厳しい状況に置かれている。

 古波倉正光副会長(県中央卸売市場売買参加者協同組合理事長)によると、27日までに組合加盟の小売業3社が廃業、1社が休業に追い込まれた。出荷できず、一部の野菜や果実を破棄する事態も発生したという。

 山城会長は、市場機能の低下は生産農家にも影響を与えると指摘。価格の低迷が続くと生産意欲が減退し、県内産の取り扱いがさらに減少する状況を危惧した。その上で「青果物流通業界は厳しい経営が続くが、効果的な支援が届いていない。どうにか救済措置を検討してもらいたい」と訴えた。 (当銘千絵、写真も)