副知事に池田氏起用へ 玉城知事、辺野古阻止へ体制を強化


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沖縄県庁

 玉城デニー知事は謝花喜一郎副知事を交代し、新たに池田竹州(たけくに)総務部長を起用し、県政運営体制を刷新する方針を固めた。9月末に任期満了を迎え、2期目を見据える玉城知事は、知事公室長経験のある池田氏の起用によって、県政の最重要課題となる名護市辺野古新基地建設の阻止に向けた施策展開を継続、強化する狙いがありそうだ。

 池田氏は総務や人事など管理分野に明るく、翁長雄志県政時代には知事公室長などで基地問題に対応し、名護市辺野古の埋め立て承認撤回にも携わった。日米地位協定の問題点を明確化するため、米国と地位協定を結ぶ他国の調査にも赴いた経緯もある。玉城知事は、県庁職員から登用した謝花副知事の後任として最適任だと判断した。

 謝花氏は仲井真弘多県政で企画部長を務め、翁長県政では知事公室長を歴任、18年4月に副知事に就任した。玉城県政でも新基地建設問題で陣頭指揮を執り、本年度から沖縄振興も担当。長年にわたり県幹部を務めた豊富な実務経験で高い影響力や知名度を誇る一方、過度に権限が集中しているとの指摘も県庁内や県政与党内にあった。

 玉城知事は昨年11月、辺野古新基地建設問題を巡り、沖縄防衛局から提出された設計変更申請を「不承認」とした。基地問題が節目を迎えたことも、謝花氏の任期延長ではなく、新たな人材を起用するタイミングという判断材料となった。新基地問題はさらなる法廷闘争も想定される。池田氏は、これまでの基地行政の流れを踏襲する形で、訴訟指揮などを担う見通しだ。政務は、照屋義実副知事が中心となるとみられている。名護、南城市長選で2敗するなど、玉城知事を支える「オール沖縄」勢力の退潮が浮き彫りとなっている。支持基盤の立て直しとともに、池田氏の起用を含めた新体制の県政運営が注目される。
 (池田哲平)