沖縄県の予算、過去最高8000億円規模 子どもの貧困対策拡充へ 22年度一般会計


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県庁

 沖縄県の2022年度一般会計当初予算は総額が8千億円規模に上り、21年度当初予算の約7912億円を上回って過去最高額を更新する見通しとなったことが3日、複数の関係者への取材で分かった。子どもの貧困対策に関する県と市町村事業に支出する「県子どもの貧困対策推進基金」について残高約3億円に約57億円を積み増し、過去最大の60億円規模にする。新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえ、観光産業の安定化を図る基金設置条例を制定し、一般会計から同基金に40億円規模を拠出する。

 国の22年度沖縄関係予算案は21年度比326億円の大幅減となる2684億円となったが、県当初予算案は国からの地方譲与税や県税の増加を受け、2年連続で過去最高を更新する見通し。

 22年度の県一般会計予算案は7日の庁議で決定し、15日に開会予定の県議会2月定例会に提出する。この他、新型コロナ対策費など約500億円規模の21年度一般会計の補正予算案、県農作物の種苗の生産に関する条例案なども提出を予定している。

 22年度の一般会計予算案は、沖縄の日本復帰50周年を記念した約40事業の経費、新型コロナ対策費などを盛り込む予定。デジタルトランスフォーメーション(DX)化推進事業や女性活躍推進事業に関する予算も計上する。

 一般会計から約57億円を積み増す県子どもの貧困対策推進基金は、県内の子どもの約3人に1人が貧困状態に置かれているとの調査結果を受けて、16年度に30億円を積み立てて創設した。各市町村の放課後児童クラブ(学童保育)の運営費などに充てられている。県は現行制度で21年度末までとなっている基金設置期間を、31年度までに延長する方針だ。(梅田正覚、大嶺雅俊、明真南斗)


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