外務省沖縄大使、米軍の域外訓練を容認 識者「地位協定の拡大解釈」


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橋本尚文氏

 米海軍のヘリコプターが22日に名護湾でつり下げ訓練などを実施していた問題で、外務省沖縄事務所の橋本尚文沖縄担当大使は28日、「地位協定上は、実弾射撃を伴わないような訓練は、施設・区域に限ることは必ずしも想定していない。個々の活動目的においては行うこともあり得る」と述べ、提供施設・区域外での米軍機訓練を容認する日米地位協定の解釈を示した。 

 社民党県連が行った抗議要請への対応の席で述べた。橋本氏は「一般論」としたが、識者からは「地位協定の拡大解釈で基地外訓練を容認するずさんな対応」など批判が上がっている。

 橋本氏の見解について、外務省日米地位協定室は「『どこで訓練をやる』という規定は地位協定にはない。(日米地位協定の)全体の趣旨からして、訓練は米軍の活動に不可欠で、一定程度行うことになっている」と琉球新報の取材に回答。日本政府として提供施設・区域外での訓練を容認したものの、根拠は明示しなかった。

 地元の名護市議会は28日に意見書と抗議決議を全会一致で可決し、提供区域外での訓練は日米地位協定に違反するとして名護湾での訓練に抗議した。

 (塚崎昇平)