人気漫画家「しまぶー」の父は組踊の重要無形文化財保持者 親子二代で通った高校 沖縄工業高校(1)<セピア色の春―高校人国記>


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沖縄工業高校卒業生で国指定重要無形文化財「組踊」保持者の島袋光尋さん(右)と、息子で漫画家の光年さん=12日、那覇市内

 那覇市松川の学舎を卒業した父は組踊の国指定重要無形文化財保持者に、息子は「週刊少年ジャンプ」でヒット作品を生んだ人気漫画家になった。沖縄工業高校10期(土木科1期)の島袋光尋(80)と、「しまぶー」の愛称で知られる44期(電子機械科3期)の光年(46)である。

 光尋は現在、沖縄工業の同窓会長。芸能一家に生まれ、幼少から琉球舞踊を続ける一方、在校時はテニスに明け暮れた。2年に上がった1958年4月に女子木材工芸科が新設され、女子生徒が増えた。「運動会でペアを組んでダンスを踊れるのが楽しみだった」と笑う。

 長男の光年には、芸能の道に進むよう「押しつけることはしなかった」(光尋)という。絵を描くのが好きだった光年は高校2年の時、応募を続けていたジャンプ新人賞の最終選考に初めて残り、作品カットが誌面で紹介された。「今振り返っても、あの時ほどテンションが上がったことはなかった」(光年)と思い起こす。

 光年は高校卒業から3年後、「世紀末リーダー伝たけし!」で連載デビューを果たす。

 (文中敬称略)
 (當山幸都、吉田健一)

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