ネット検索から高額請求 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[257]


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今年1月、「その検索、ちょっとまって!」と注意を促すイラストを東京都下水道局がTwitterに投稿し話題になりました。

トイレが詰まった際、あわててネットで修理業者を検索し、修理を依頼したら高額な料金を請求されてトラブルになる事例【※1】が増えているからです。

「開かない鍵を開ける」「止まらなくなった水道を止める」などの依頼でも同様のトラブルが2020年ごろから発生しているとのことです。

小中学生の皆さんも、数年後には社会人・大学生として一人暮らしを始める可能性があります。被害に遭わないよう今のうちに高額請求の手口を覚えておきましょう。

 

※1 高額な料金を請求されてトラブルになる事例 … トイレや水道が壊れることはあまりないため、私たちは修理の「相場価格」をあまり知りません。トイレや水道の故障でパニックになっていると冷静な判断が難しくなるため、その場で業者の人に言われた高額な金額を「妥当な金額だ」と思い込んでしまい支払ってしまうのです。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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調べ物をする際、スマートフォンの検索アプリを活用する人は多いでしょう。今回であれば「水道 修理 那覇市」などと入力し、検索結果に表示された業者に電話をして、修理依頼を行います。

高額請求業者は、私たちのこうした行動を逆手に取り、「『水道 修理 那覇市』と検索した人に広告を出します」とGoogleやYahooなどの検索エンジンにお金を払って依頼しているのです。

こうした仕組みをリスティング広告【※2】と呼びます。本来は検索エンジン側が高額請求業者を広告から「はじく」必要がありますが、残念なことにあまり審査が機能していません。

 

※2 リスティング広告 … 検索結果の上位に表示される「リスティング広告」に偽サイトが表示され、買った商品が届かない、クレジットカード情報が盗まれるなどのトラブルも発生しています。

 

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検索結果の上位に出てくるページがなんとなく「人気で正しい情報である」と思ってしまいますが、実際のところは悪徳事業者の可能性もあるということです。

依頼する際は複数の会社に電話をして事前に金額の見積もりを出すなどして、対応しましょう。

 

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【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

http://smartphoneokoku.net/