沖縄を学ぶ機会少なく、研究会「カリキュラム整備を」 高校生歴史調査


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会見する沖縄歴史教育研究会の金城睦さん(右)と新城俊昭さん=6日、県政記者クラブ

 県内の公立高校2年生に実施した沖縄の歴史に関する知識調査の結果を発表した沖縄歴史教育研究会は、知識の定着が2007年度の初回調査から低いままであることの背景に「学校で沖縄を学ぶ機会がほとんどない」という実態を課題に挙げた。同会は行政主導のカリキュラムづくりの必要性を訴えている。

 沖縄の歴史や文化を学ぶ意義について「とても重要」「重要」と答えた生徒が計79%いた。これまでの調査同様に学ぶ意欲は高い。調査では日本復帰以外にも沖縄の歴史全般について聞いているが、正答率は07年度から30~40%台と低いままで、改善されていない。

 研究会で事務局を務める高校教師の金城睦さんは「一過性の授業ではなく、体系的な学びが必要だ。しかし(文部科学省が教育課程の基準としている)学習指導要領に基づく学習が優先されるため、独自のカリキュラムが組みづらい」と分析。教員の業務過多により教材研究の時間が十分に取れない課題も訴えた。

 研究会顧問の新城俊昭さんは、他県では行政が独自のカリキュラムをつくり、地元の歴史や文化を体系的に学べるようにしている事例もあると紹介した。
 (吉田早希、嘉数陽)