「特別な責任がある」ハワイ生まれ沖縄ルーツの大学教授、米国へ沖縄の現状発信 14日に集会企画


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 【本部】ハワイで生まれた日系3世で本部町在住のサンフランシスコ州立大教授・上運天(うえうんてん)ウェスリーさん(61)らが日本復帰50年の日に合わせ、前日の5月14日に米サンフランシスコのジャパンタウンで横断幕を掲げ、沖縄の現状を訴える集会を予定している。上運天さんは「アメリカ人の中には沖縄のことを知らない人が多い。沖縄に起きる基地問題や日本と沖縄の関係について知らせる機会にしたい」と話している。

復帰の日に向けて米国で沖縄の現状を伝える集会を企画する日系3世の上運天ウェスリーさん=7日、本部町

 上運天さんの父方は旧佐敷町(現南城市)出身で、母方は糸満市出身。上運天さんは大学で民族学を教える一方、米国内で基地問題について発信を続けてきた。名桜大学(名護市)への一時勤務や家族の介護を機に20年に来県し、その後本部町に移り住んだ。米国の学生を相手にリモートワークを続けている。現在は名桜大の研究員でもある。

 辺野古の新基地建設問題について肌身で知り、政府の強行と環境問題を米国内に伝えたいとの思いを強くしたという。

 「(名護市)安和の採石場から辺野古に土砂が運ばれるのが見えると悲しさを感じ、基地建設の影響を生活の中で直観するようになった。アメリカの市民の中のウチナーンチュとして、特別な責任があるんじゃないかと思う」。

 上運天さんは現地に赴けないが、米サンフランシスコのジャパンタウンの集会はベトナム戦争時代に沖縄の反戦運動に携わった活動家エド・キンサリーさんが立ち会う。キンサリーさんは「平和で基地のない沖縄のために支援をしたい」としている。広場に横断幕を掲げ、静かに沖縄の現状を訴える予定だ。

 上運天さんは本部町からSNSなどを活用し参加を呼び掛ける。若者らが現状に関心を高めることにも期待を寄せている。

(増田健太)