那覇空港の国際線、6月に再開 2年ぶり観光解禁 当面はツアー限定


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 2020年3月から全便運休が続いている沖縄県の那覇空港の国際線について、岸田文雄首相は26日、6月中の発着再開方針を明らかにした。新型コロナウイルスの感染状況に対応した水際対策の緩和に伴い、厚生労働省が定める検疫体制の基準を満たす羽田など5空港に限定していた国際線の発着空港に、那覇、新千歳の両空港を加える。

 訪日外国人観光客の受け入れも6月10日から再開する。感染拡大を防ぐため、当面の間は旅程を管理しやすい添乗員同行のパッケージツアーに限定する。

 政府は、6月1日から1日当たりの入国者数上限を1万人から2万人に倍増させ、検疫措置の分類として感染リスクが最も低い「青」区分の国・地域は、日本人の帰国を含め入国時の検査と自宅待機を免除する。

 「青」区分は26日時点で米国や中国、韓国など98の国・地域。対象の国・地域は随時見直す。観光目的の訪日客入国は「青」区分に限り2万人の枠内で認める。ツアー人数や国内移動は制限しない。
 受け入れ側が所定の手続きを経れば、商用・就労などの目的での3カ月以下の短期滞在や、長期滞在目的での外国人の新規入国も認める。

 岸田首相は26日の都内での講演で「今後も段階的に平時同様の受け入れを目指す」と語り、感染状況を見極めて受け入れ体制を拡大していく方針だ。

 解禁に先立ち、国土交通省は今月24日以降、米国など4カ国の旅行会社関係者らを招き、実証ツアーを行っている。感染対策や陽性者が判明した際の連絡ルートなどを確認する目的。近く業界向けのガイドラインをまとめる。

 訪日観光客の解禁は約2年ぶり。訪日客は2018年に3千万人を突破し、沖縄を訪れる訪日客も18年度は300万人(うち空路180万人)を記録した。しかし、コロナ禍で20年3月に那覇空港発着の国際線が全便運休して以降、20年度、21年度と2年連続で外国人観光客ゼロが続き、県経済に打撃となっていた。 (安里洋輔まとめ)


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