くらし

〈112〉お酒の脳への影響 認知症のリスクも

 皆さんは何をしている時が楽しいですか?人間は何か行動をして、楽しさを感じる時、ドーパミンといった物質が脳内で分泌されると言われています。このような物質は私たちが幸せを感じ、生きていく上でとても必要なものです。

 しかし、このような脳内物質が異常になってしまうとしたら、私たちは一体どうなってしまうでしょうか。自分らしく生きていくことができなくなってしまうかもしれません。

 「生活習慣病やがんのリスクになるのでお酒の飲みすぎは注意しましょう」という言葉は、よく目にしますね。お酒の飲みすぎは身体のあらゆる臓器に影響を与えますが、最初のうちは痛みなどの症状が出ません。なので、それだけの理由で、お酒を減らしたり、やめたりすることは難しい場合が多いです。しかし近年では、多量飲酒は、身体に悪い影響を与えることはもちろん、脳にまで影響を与えていくと報告されています。

 アルコールは医学的には依存性物質に分類され、多量飲酒を続けることで、ドーパミンなどの脳内物質の異常を来たすと言われています。そうなると、私たちはお酒を飲むことが「ほかのどんな行動よりも楽しい」と脳が覚えてしまいます。

 そして、とても残念なことに、そうなってしまうと、昔は楽しかった趣味、家族や友人との会話、さまざまなワクワクする体験などが、以前のように楽しく感じなくなり、お酒を飲むことを優先してしまう可能性があるということです。

 また、過度な飲酒は、前頭葉と言われる脳の前の部分の萎縮を引き起こし、認知症のリスクになることも知られています。

 もし「お酒を飲みすぎていて心配だけど、別に身体は問題が無いから大丈夫かな」と、悩んでいる方がいたら、「脳への影響」も考えていただければと思います。そして、お酒を減らしたい、やめたいという方がおりましたら、健康診断の際や、お近くの病院にご相談していただければと思います。きっと皆さんの生活が良い方向に変わるはずですよ。

(栗原雄大、琉球大学病院 精神科)



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