日本商品 中国に売り込め 那覇の「全」が越境EC 抖音と連動、魅力紹介


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中国におけるEC市場の可能性について話す中尾芳広社長=24日、那覇市のオキナワ・イノベーション・ラボ

 化粧品などの貿易事業を手掛ける全(那覇市、中尾芳広社長)が、中国版「ティックトック」として知られる「抖音(どういん)」と、中国最大級の物流グループの子会社「永輝ジャパン」と戦略的業務連携を締結した。9月にも抖音と連動した新たな越境ECプラットフォーム「全速力オンラインショップ」を本格始動し、日本の商品やデジタルコンテンツを、中国の巨大マーケットに売り込むシステムを構築する。

 インターネットを通じて海外に商品を販売する「越境EC」は近年、市場が急拡大している。特に中国向けのEC市場は成長が著しく、2022年には約5兆円に達することが見込まれている。

 全は今回の提携で、ECサイトを通じて日本と中国の間で商品を円滑に取引できる基盤を整備した。インフルエンサーが抖音に搭載されているライブコマース機能を活用して商品の魅力を独自に紹介できるようにした。年間100億円の売り上げを目指す。

 24日、那覇市内で会見した中尾社長は、中国では人を信用してモノを購入する文化が根強いと指摘。「インフルエンサーを起用することで爆発的に売れる。中小企業にもチャンスが広がる」と述べた。

 12月に沖縄市で開催されるブレイクダンス世界大会の様子をオンラインショップから配信し、中国のユーザーがライブを観ながら関連グッズを購入できるような取り組みも行う。 

(当銘千絵)