
【北部】国頭村で発生したひき逃げ事件で、国頭地区行政事務組合消防本部の消防士(41)が容疑で緊急逮捕されたことを受けて、同本部は30日、記者会見を開いた。稲福伸消防長は「生命を守る消防職員がこのような事故を起こし、誠に申し訳ない。消防職員の信用を著しく失墜する行為で取り返しが付かない。二度とこのような不祥事を起こさないよう法令順守を徹底する」と陳謝し、深々と頭を下げた。
同本部によると容疑者は東分遣所(東村)に勤務し勤続19年。消防士長で、救急や救助出動の現場では隊長を務めていた。事件があった24日は非番だったが、25日以降は普段通り勤務していた。事故を起こした自家用の軽自動車で出勤していたというが、本人から事故に関する申告や相談はなかった。
逮捕された29日も午前中から勤務中で、県警が任意で事情を聞きに訪れたことで消防側は事態を把握した。
容疑者の勤務態度や人柄について、稲福消防長は「無断欠勤や遅刻もなく真面目。飲酒もしない」と説明した。一方で容疑者は2017年から21年までの5年間で就業中に3件、プライベートで2件、計5件の物損事故を起こしており「注意散漫な運転が見受けられ、注意するよう声掛けしていた」と説明した。今後、捜査の進展をみながら分限懲戒審査委員会で処分を検討する。
国頭消防の管理者の宮城功光大宜味村長は「消防職員が事故を起こして逃げてしまうというのは大問題だ。被害者に対して大変申し訳ない」とコメントした。
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